第1話 黒き麒麟

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  赤に近い茶色の髪の14か15の少年が泣き崩れていて、 「まだガキか?」 そう思って、近くに寄ろうとした。 「皆、周りを囲め!」 この声は、麟の声、驚いて振り向くと、既に男達が周りを囲い始めていた。 総十はすかさず麟に、 「麟! ただのガキだろ!? 一々囲わなくても良いだろ!」 そう言いながら、少年を見せた。 少年は未だこの状況に、気付かず泣き続けていた。 「お前は、この中心に蔓延る邪気の強さが分からないのか?」 その言葉を言われるまでもなく、総十は気が付いていたが、 「だったらまず、ガキの保護やらここから追い出すのが最優先だろ?」 とりあえず邪気から遠ざけるべきと、口に出すが、麟は少年よりも、何かを感じていた。 「その少年を退けろ」 「はっ!」 男2人が、麟の指示で少年を退けようと動く。 最初、総十は止めに入ろうか悩むが、しがみついている親か、成人した男に泣きじゃくっている少年を引き離し、多分可哀想だが亡くなっている可能性が高い。 邪気はその成人した男の可能性もあり、引き離すが一番と考えれば、最も良策だ。 少し気になって、 「一体どうやって来たんだ? あの速さで?」 土鬼の速さは、土の中にいることで、相当な速さが出て、人間の男達はまず付いていけない。 麟なら可能だが、どうやって他の人間の男達を連れてきたのか、答え方を聞いてみたいと言う好奇心だ。 でもさすがは神である麟、 「ナメるな、私は黒き麒麟だぞ?」 こう返ってきて笑いそうになった。  
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