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セルビアは宿を出ると、思い切り足に力を入れて大地を蹴る
すると人間ではありえない速さで、レンガでできた街並みを、人の波を駆け抜けていく
擦れ違う人びとの目には止まらず、皆は何かが去った後をキョロキョロする
セルビアはそんな人びとを笑いながら、宿主の言っていたよろず屋の前に辿り着いた
辿り着いたと言っても、宿から出た瞬間と言っていいほど時間はかかっていない
「ここかな……」
セルビアは一人言を言いながら店のドアに手を掛けようとしたとたん
「いらっしゃい」
そう言いながら店の中から、全身を白いローブですっぽりと覆った老婆が現れた
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