先輩

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「カズー 何だよ!置いてくなよー」 え…? 振り返ると 正紀が走って来ていた。 「え?お前 肖さん達と 行くんじゃないの?」 「だって カズ 居ないと つまんねえもん」 何でもないように言い、正紀は 俺に肩を並べた。 …ばっかじゃねえの? 俺は 一人でクスクスと笑った。 「バカだな、お前」 「何でだよ!」 一人前に 怒る感情は あるみたいだ。 「俺なんかに 気 遣っても 何の得もないのに」 「は?得?得ってなんだよ」 正紀は 何のことか解らず キョトンとしている。 正紀のことを ずっと 守ってやりたい。 こんな 綺麗な心を、傷つける奴がいたら 許さない。 俺は、正紀の横顔を眺めながら そんなことを思っていた。
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