彼女

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「あのさあ。キスって どのくらいでしたらいいもんなの?」 二人に なると正紀は いきなり切り出してきた。 「は?そんなの雰囲気だろ?」 大して経験がある訳では 無かった、が。 キスだけは 中学の時に体験済みだった。 「そうかあ。なんか 俺 そんな気分になれなくてさ」 正紀は ちょっとつまらなそうに口を尖らせた。 「ふうん」 「やっぱり カズ いないと つまんねえよ」 「ばあか、何言ってんだよ、あんな可愛い彼女。みんな羨ましがってるぞ」 俺は 何か自分で喋る度に 自分を傷つけているような気がしていた。 正紀が俺を大切に思ってくれるほど 辛かった。
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