彼女

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「一宮、菜々子ちゃんはさ、俺の親友の妹なんだよ」 「え?」 「こないだ 確かに二人で逢ったけど。ちょっと進路のこと相談受けてさ」 「そ、そうなんですか」 そうなんだ… 恥ずかしさで 消えてしまいたかった。 「俺、今日は 先に失礼します」 肖さんに頭を下げ、体育館を出た。 「カズ!」 正紀の呼ぶ声が聞こえたが、振り返れなかった。 最悪だ。もう、正紀と顔合わせらんないよ… 荷物を持って、そのまま家路についた。
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