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「ういっす」
一週間後。正紀は 何事も無かったかのように現れた。
教師の話では 3日ほど入院していたらしい。
「ああ。おはよ」
トクン… と心臓が鳴る。
良かった。元気になったんだな。
心から ホッとして つい笑顔になった。
「あれ、もしかして心配してくれてた?」
へらへらと笑う顔には 何の影もなく、俺に対しての気遣いだけが見える。
そういう奴なんだ と思うと なんだか切なくなった。
「お前、一週間も休んだら 勉強着いていけないだろ」
俺が 笑うと「あーマジ どうしよー」 と 笑っている。
なんか 憎めない奴だ。
仕方なく その日から 居残り勉強に付き合うことになった。
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