プロローグ

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「…………」  真っ暗な闇の中。 「…………」  女の子の、すすり泣く声が聞こえる。 「……ごめ、んね……」  女の子は、流れる涙を擦りながら、俺に謝っている。  彼女は悪くないのに。  悪いのは、彼女じゃないのに。 「ごめん、ね……」  泣きながら謝り続ける女の子に、俺は声をかけようと口を開く。  謝らないで。君のせいじゃないから。  そうやって、声をかけようと口を開く。 「…………」  でも、言葉は出ない。  俺はただ口をパクパクさせるだけで。  その言葉は音にならずに、宙に消えた。 「ごめんね……」  そして、女の子は顔を上げる。 「ごめんねーー」  真っ直ぐな瞳で、ひどく悲しそうな表情で、女の子は俺を見つめて…… 「ーー浩太郎」  その女の子が、幼なじみの築島香澄だとわかった瞬間、  ーー目が覚めた。
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