1話

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9時になり、鈴音と通話を始める。 でもどんな話をしていいのかわからない。 それにまだスカイプになれていない。 「碧?」 「ん?」 「いや、なに話そうかなぁって」 あははっと控えめに笑う鈴音。 こういう時、普通は男がリードするもんだよな。だけど、なにを話していいか全然わかんない。 女子とメールや電話は鈴音が初めてだし、遠距離だし... 「ね、ねぇ、鈴音ってなにが趣味?」 あ、ありがちな質問をしてしまった。 「私は小説とか絵、描くのが好きだよ」 「へぇ、意外だね!」 「言われる」 「うそ」 「なんで嘘になんのよ。 碧は?」 「俺?俺はー...」 これといって趣味はない。 ずっとサッカーしか見てなかったから。 「サッカー...かな?」 「まぁ、そりゃそうだよね」 鈴音は笑いながら話を続ける。
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