弟side

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弟side

「いってらっしゃい…」 姉貴の弱々しい声を聞いて家を出る。 あ、どうもこんにちは。弟です。え、シスコン?なんのことだかわからないっすね。 「……………」 見られてる…のか? 視線を動かしてもそれらしき人影は見当たらない。 「…めんど…」 どうやらここ最近つけられてるような気がしてならない。 「誰なん『お~は~よ~』 ど~んと何かが体当たりしてきやがった… 『おい顔が怖いぜ?なんかあったのか?』 「誰のせいだと…」 『あ、やべー遅刻遅刻。ほら急ぐぞ!』 言い返す隙も与えないんだなお前は。その清々しい根性見習いたいね。 小学校からの腐れ縁であるこいつは真田章。学校でもクラスメイトに若干距離をおかれている俺に唯一かまってくる。まぁ、世間でいう親友みたいな奴だ。 『つか、お前が遅刻するなんて珍しいな。』 まだ遅刻してないんだがな… 『あれか?愛しのお姉さんとラブラブしてたのか?』 「してない。勘違いすんな…」 『あんな美人なお姉さん俺も欲しいな~』 そう言われ姉貴を思い出す。白い肌に腰まで伸びた綺麗な黒髪。整った顔立ちとくりゃ、男が放っておくわけもないが… 「姉貴に手出したら殺すからな…」 『わかってるって!お前が言うとホントに殺りそうで怖い!』 そりゃもちろん、冗談じゃないからな… 青い顔した章と一緒に俺は通学路を急いだ。さっきまで悩んでいたあの視線もわすれ、俺達をじっと見つめる影に気づかずに…
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