異世界

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「あなたは誰?名前はあるの?私はリコ。鈴木リコって名前。」 「僕の名前は、フルール。リコは何処から飛ばされてきたの?」 少し落ち着いた私は、少しでもこの状況を飲み込もうとした。 (お家に帰らなくちゃ。) 大学に行かなきゃならない。 「日本ってわかる?人間がたくさんいるところよ。」 「知ってるよ。願いがたくさんあるところだ。悪い願いも良い願いもたくさんあるところだよね。僕たちはその願いで生かされているんだ。 願いがあるから僕たちは生きていられるんだ。 」 ますますわからない。 私はどこにいるの? 「私は戻りたいの。元の世界に帰りたい。どうしたら帰れるの?知っている? 」 藁にもすがる思いでフルールに聞いた。 「僕は知らない。でも、マスターなら何か知っているかも。」 「さっきからマスターと言うけど、この世界にはあなた以外にも誰かいるの?」 「いるよ。僕以外にもまだまだたくさんいるさっ。悪い奴も…いい奴もいるよ。マスターはこの世界を全部知っている。後は、マスターから直接聞いてごらん。僕が話せるのはここまでだから。」 ピロリーン♪ピロリーン♪ フルールとの会話を遮るかのように、突然携帯が鳴った。
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