prologue

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「お、おい、また撃ってきたぞ! 早くあやつをずばーっとやっつけるのだっ」  後部座席から擬音混じりに無茶な命令を喚き散らす少女の声にも、黒スーツの若い男は顔色ひとつ変えない。  冷静に状況を判断して、最善の一手を見出だそうとしているのだ。  とはいえ車のタイヤを撃ち抜かれ、足を潰されているこの状況で、果たして活路があるのかどうか。 「落ち着け、今うかつに外に出たら撃たれるだけだ。それより怪我はないか?」 「うむ。前の運転手ならそのまま父上や母上のもとへ逝ってたかもしれぬが、さすが晃だ。急な事態にもよく対応してみせた」
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