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メルシア連邦王国。
東北戦争後、五ヵ国が統合されて創立された、面積、人口を共に世界の半分を占める、今や世界屈指の先進国である。
メルシアの首都トリノラインは、メルシア国王の城もあり、他にもメルシア有数の貴族が、揃いも揃って住居を構えている、いわばメルシアの心臓と言える中枢都市。
そしてメルシア城を守るように建っているのが絶対戦力を誇るメルシア国軍の城、ドレッドノートである。過去1回たりとも、その城が破られたことはない、絶対防御の盾としてメルシアを根底から支えている。
兵士が他都市と比べ格段に多いのもあってか、トリノラインは少し怖いイメージを付けられやすい。
しかし、城下は数々の店で賑わい、上流貴族だけではなく一般の平民も多く住んでいる。
何事も実際に見ないと分からないものだと、俺は部屋唯一の窓から外を見渡した。部屋は2階にあって、見通しは凄くいい。
何よりあのドレッドノートとメルシア城がどちらも見えるのだから、それだけで俺は充分幸せだった。
窓を開けると、すぐに心地よい風が室内に充満する。俺の髪を風は優しく撫でた。
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