今度出会うのはサルとキジ、ではなく
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質問に答えたのは部屋の隅で、影のようにひっそりと控えている男です。 頭巾で顔を隠したその男は、声の主である少女の言葉に、控えめにではありますが反論しました。 「確かに、怪我などはなさってませんが……実は、殿下は記憶を喪ったようでして」 「何ですって?」 驚き、寄せられた眉は形良く。 眉だけではなく、豊かな黒い巻き毛も、同色の長いまつ毛に縁取られた黒い瞳も、声同様に可憐でした。
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