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それからいつものように押し倒された後、ハルと俺は舌を絡めてお互いの体温と存在を確認し抱きしめ合って、安心する。
いつまでもこんな関係でいたいなと時々思うけど、まぁそうもいかないだろうなとも思う。
(まぁいいか、今は……)
と突然、額を付き合わせ転がっていたハルがムクリと起き上がった。
「俺も省吾と温泉へ行く」
「は? 何だよ突然」
「うんそうだそうしよう。雪景色を見に行こう」
いきなり浮かれはじめたハル。雪景色だなんて、この寒い時期にわざわざ更に寒い場所へ出向くなんて、勘弁して欲しい。
「わかった、温泉な……でも温泉なら熱川辺りとかさ。ロマンスカーで一本だぞ。近いし魚美味いし(寒いのやだし)」
うまく丸め込もうとしても、一度言い出したハルは大抵止まらない。
「うん、貸し切り露天風呂で雪見酒。決めた」
俺の意見は敢なく却下されたようだ。多分聞いてもいない。
そんなわけで、忘年会温泉旅行から帰って来た日には既に宿も決定されていて、この忙しい時期にまたも温泉、豪雪地帯の山形へと赴く事になったのだった。
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