1.リアリズム

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「手、洗ってきたよ」 「あら、じゃ話そうかな」 「うん、話して話して」 お母さんは椅子に腰掛ける。 「未亜ちゃん(遠野さん)から、この前電話がきてね、その話されたの」 「ふーん、いつ」 「三ヶ月前」← 「あ、結構前だね!」 「いやー、未亜ちゃんは次來夢が店に来たとき話しますって言ってたわ。今日、行ってきたのね」 「え、じゃあギリギリセーフだったんだね」 「そうなるね」 私は、「はあ」とため息をついた。 お母さんも、遠野さんも、しっかりしてよ。 「お母さんは良いわよー、勉強もみっちり教えてくれるらしいし」 「そ、そうなんだ」 どんな施設なんだろ…(汗) 「來夢、行ってらっしゃいよ。ね?」 「ぅえ…?でもお母さ…」 「これで來夢の人見知りがなおるかもしれないしね」 「…う」 た、確かに私は人見知りですけども! アンタ鬼ですか!人見知りに人見知り直せってそれ「ボルトより速く走る」くらい難しいんだからね! 「速く用意なさい。はい、コレに服、まとめるのよ」 と大量の畳まれたダンボールを渡された。 「……ちぇ。解りました、解りましたよっ」 私はふてくされ、ダンボール箱を受け取り自分の部屋へ直行した。
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