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私が編み出した(?)少しばかり暗い裏道を通り出来る限りの時間短縮を図る。
辿り着いたのは、小さな学校。
の、隣の更に小さな文房具屋。
私はココの常連客。
「あのぅ、ごめんください…遠野さーん」
このお店は、遠野未亜(トオノ ミア)さんという若い女性が経営している。
遠野さんは、私の中学・高校の先輩。三つ年上。
文房具屋と大学を両立している。
可愛がってくれる優しいお姉ちゃんです。
「あっ。來夢ちゃん?」
「はいっ」
「あらあら、どうしたの?」
「シャーペン、壊しちゃって」
「素手で?」
「はい、そうで…ってそんな私に悪意があったみたいな言い方やめて下さい」
「えへへ。ごめんごめん…じゃ、それ見せてくれる?」
「はい」
シャーペンを手渡すと、
遠野さんはものの数秒で判決を下しました。
「あ、中詰まってるねー」
「…それだけですか?」
「うん、そうね(笑)」
「笑わないでぇぇっ」
は、恥ずかしい、恥ずかし過ぎてあれだ。
穴があったら入りたいって感じだ。
そんな軽症かいっ!
「まあまあ、直しとくわ。ちょっと待ってて」
こんな軽症でも相手にしてくれる、それがこの方の優しさってもんです。
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