1.リアリズム

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私が編み出した(?)少しばかり暗い裏道を通り出来る限りの時間短縮を図る。 辿り着いたのは、小さな学校。 の、隣の更に小さな文房具屋。 私はココの常連客。 「あのぅ、ごめんください…遠野さーん」 このお店は、遠野未亜(トオノ ミア)さんという若い女性が経営している。 遠野さんは、私の中学・高校の先輩。三つ年上。 文房具屋と大学を両立している。 可愛がってくれる優しいお姉ちゃんです。 「あっ。來夢ちゃん?」 「はいっ」 「あらあら、どうしたの?」 「シャーペン、壊しちゃって」 「素手で?」 「はい、そうで…ってそんな私に悪意があったみたいな言い方やめて下さい」 「えへへ。ごめんごめん…じゃ、それ見せてくれる?」 「はい」 シャーペンを手渡すと、 遠野さんはものの数秒で判決を下しました。 「あ、中詰まってるねー」 「…それだけですか?」 「うん、そうね(笑)」 「笑わないでぇぇっ」 は、恥ずかしい、恥ずかし過ぎてあれだ。 穴があったら入りたいって感じだ。 そんな軽症かいっ! 「まあまあ、直しとくわ。ちょっと待ってて」 こんな軽症でも相手にしてくれる、それがこの方の優しさってもんです。
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