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「それにしても、しばらく会わない内に、ずいぶんべっぴんさんになったッスねぇ。いやホントに」
「……?」
彼は何を言っているのだろう。脳が言葉を理解してくれない。
ただ、ゴンの眼差しに探るような色が混ざっていることだけは、明確に感じ取れた。
「川岸に倒れてるのを見つけた時は、もうダメかと思ったッスよ。なにせ全身血まみれで、体も冷たくなってたンスから。
あんな朝っぱらから、川で何してたンスか? カヌーなしで川下りッスか?」
「!」
軽いセリフの端々に配置された、いくつものキーワード。
それらを聞いてもなお、自分の身に起きたことを思い出せないほど、時音は間抜けではない。
ついでに、ゴンの不可解な言動の謎も解けた。
(そうじゃ……わしの体は今、成長してて……!)
もう二度と、いつもの十歳前後の体に戻れなくなった。タナトスに限定空間を"死滅"させられたからだ。
戦いの結果、彼に敗北して重傷を負った。川に飛び込んで逃げようとしたが、寸前で巨大な火球をお見舞いされた。
しかし、何とか生き延びて下流に流れ着き、ゴンに助けられたのだろう。
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