2章

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「なるほど~」 時音の話を聞いたゴンは、あぐらをかいたまま腕を組む。 彼には、メシアを始めとする全ての事情を語った。 下手に隠すと、かえって面倒だろうというのが第一の理由だが、溜まったものを吐き出したいという個人的な甘えも、ないわけではなかったのだ。 奇想天外にすぎる実情を、彼は黙って聞いてくれた。疑っているようにも見えない。 「……話しておいてなんじゃが、お主はこんな話を信じるのか?」 「商売だろうが人間関係だろうが、あっしは相手を信じるところから始めるんで」 布団に座って体を起こす時音に、えっへん、と胸を張るゴン。 しかし、すぐに照れ臭さと申し訳なさが混ざった顔になる。 「まあ正直、理解できてない部分が多いンスけど。現に"そうなってる"なら、納得するしかないッスよ」 「……そうか」 理解できなくても、現実を有りのままに受け止め、納得する度量。 理事長がゴンを一族に招き入れたのは、技術力はもちろん、彼のそういう一面も高く評価したからだろう。 「じゃあ、今度はあっしが話す番ッスね」 「ぱん」というより「ぽん」と手を叩いたキツネは、あぐらから正座に座り直す。
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