プロローグ

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プロローグ

本当に弱いヤツは、何をやっても失敗するヤツじゃない。 それを理由に、戦うことを放棄するヤツだ。 残念と言うべきか当然と言うべきか。心を持って世の中を生きるヤツの半分は、そんな感じだ。 敗北や失敗を恐れて、本当の望みに背を向けたまま終わっていく。 けれど、もう半分はそうじゃない。 負けることを恐れずに、しくじることを躊躇わずに、勇猛果敢に立ち向かう。 オレは、心のどこかで思うのだ。そんなヤツらが羨ましい、と。 弱くても戦い続ける──そんな強さ、生まれながらに強かったオレは、一度も持ったことがないのだから。
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