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稜はその子の名前を『麻衣子』と呼び捨てにした。
それだけ親しい仲だったのだと、瑠奈は思った。
「どうして、無視なんかしたの?」
「父親が出て行った直後でさ、俺はそういうことも麻衣子に話したかったんだけど……。麻衣子からのメールは、高校生活を楽しんでる様子とか、大学受験のこととかで。俺の事情なんか話せる雰囲気じゃなかった」
「うん」
「かといって、麻衣子の話題に合わせるのも苦しくて、返信できなかったんだ」
稜の告白は悲しい慟哭のようだった。
「稜君が高校をやめたのはいつ?」
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