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「兄上、しかし!!」
「身体の弱い者が帝位についてなんとするのか?」
自分に向けられる静かな澄んだまなざし、
わかってはいた、
だが、納得出来るものでもなかった。
自覚と共に、己を磨くことを厭わず、たくさんの知識を持ち、
思慮深く、やさしさを持った、
自慢の同母兄(あに)だ。
母、皇后から父帝よりも濃い、創優帝の血脈を受け継ぎ、
誰よりもその位にふさわしいと、思っているものを…。
同母兄は不幸にも、脆弱な肉体をも受け継いでいた…。
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