はじまり

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そんな風だったから、テレビのご対面番組から電話がかかってきたときには、心底驚いた。 MIOは間違いなく相良美緒で、しかもこの僕が彼女の中学時代の憧れの人だったというのだ。 「MIOが同級生だったって知ってました?」テレビ局のスタッフの質問に僕はこう答えた。 「ああ、前に聞いたことがあります」初耳だ、と言うより、そっちの方が恰好がいいと思ったのだ。実際、聞いたこともあるし。 「番組に出演いただけますか、憧れの人として?」 「うーん。どうするかな」
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