*+.約束のキミ.+*

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…振った相手のこと、考える必要は無いんだよな。 もう終わったことだ。 とりあえず家に帰る前にガイドブックでいろいろチェックして、明日のために準備しておかないと。 楓が好きそうなスポットは、夜景…とかどうだろう…。 ううん…楓って夜景楽しむタイプだったっけ? その夜景までの道のりが結構険しそうなとこだなぁ。 ガイドブックの写真を見ると、男女が手を取り合い、山道を登ってる姿があった。 2人とも、身なりはボロボロだ。 急な坂道とか多そうだな…。 楓…これ見たら…- 『見て見て!あっちに沢山虫いるよ!』 とか言いそう。 楓が満面の笑みで芋虫を触っている様子が簡単に想像できるな。 「ぶっくく…」 やべ、想像してつい笑っちゃった。 って、そんな場合じゃないよな。 早くまとめないと…。 次にガイドブックのページを捲ると、カラオケボックスが目に入った。 当旅館には、みんなで楽しめるカラオケやゲームセンターもあるよっていう文が書かれている。 カラオケかぁ。 そういえば、楓の歌声って聴いたことない。 何の曲、歌うんだろ。 でも、カラオケはいつでも行けるよな。 カラオケするくらいだったら、二人でどっか歩き回ってた方が楽しいかも。 それに、楓の場合… 『無理無理!潤くん歌いなよ。あ、あ~!急に喉の調子が…げほ…っ…』 とかやったりして…。 考えるだけで顔が緩む。 そんなもしも楓シリーズを考えて笑っていたら、とっくの間に7時で下校時間になっていた。 「やっべ!門閉められる!」 慌てて、ガイドブックやらを鞄にしまい、学校を飛び出した。 外は、もう真っ暗で…雪だけがふわふわと降っていた。 …明日、楽しみだな。 楓に早く会いたい。  
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