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クスッと笑われて、私も照れくさく笑った。
「しかも分からなかったんだね。残念だなぁ」
ふう…と溜め息を吐かれた。
これはヤバいぞ!
「ご、ごめんなさい!ちょっと難しくて…!で、でもすぐに解るように頑張るから…」
潤くんに呆れられてるよ…。解るようにならないと!
あ!でも、わ、私…バカだから聞いても全く解らないってことは、1人で頑張っても余計解らないままっていうことだ!
私の頭の脳みそを誰か首席の人と入れ替えてくれたら、潤くんも自慢できる彼女になれるのに…!
「ふふ、そんなに考え込まなくていいよ。俺がちゃんと教えてあげるから」
頭を優しく撫でられ、胸がキュンとする。
「ほ、本当に…?」
「もちろん。だてに、楓より1年先輩じゃないよ」
「ありがとう!」
潤くん、やっぱり大好きだ。
「っていうか、楓寒くないの?」
「え?」
潤くんが私をジーッと見ながら聞いてきた。
「へ?なんで?」
「首」
潤くんは、スッと動き、自分に巻いていたマフラーを取り、私にグルグル巻いてきた。
「?」
「何も巻いてないんだもん。手袋はつけてないし、寒いでしょ」
私に赤いマフラーを巻いて、潤くんは笑った。
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