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「みなは、潤の彼女見てみたいの。
好きな人の好きな子、フツーに気になるでしょ?」
満面の笑みを見せて言ってのける野村に溜め息が出そうになる。
「…よく言えるよな。
人の気も知らないで」
あぁ、溜め息出ちゃった。
「…それは、こっちの台詞なんだけど」
野村の言葉を最後に俺達は押し黙った。
野村と話していると、頭の中が整理出来なくなって、落ち着きを無くす。
「頼むから…もうどこか行ってくれないか?」
頭を抱えて困ったように伝えると、
「ふふ、分かった。
まあ、旅行楽しんで来て。お土産待ってるから」
意味深に野村が笑って、教室から出ていった。
野村が出ていった教室で、一人座っていると、昔のことを思い出して…少し苦しくなった。
もう、終わったことだ。
終わったこと…。
そう何度も自分に言い聞かせても…胸が潰れるくらい苦しくなった。
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