第二章~レン~

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「この子が、僕を不幸にしてるのか?」 僕は訝しげに青年を見た。 「そうさ。信じられないか?」 青年は笑って僕を見た。 そして、説明を始めた。 「この子が幸せだから、君は不幸なんだよ。この子と君は対になっているんだよ。そう、鏡のようにね」 青年の話をまとめると、こんな感じだった。 鏡の中の少女は王女さま。 塔から見える、あの城の王女さまだ。 この塔は鏡の世界との境目になっている。だから塔は固く鍵が閉められてるんだ。 「とまあ、簡単に言っちゃうとこんな感じ」 青年の話を聞いて、僕はしばらく考えていた。 あの子がたくさんの人々に囲まれて笑顔の時、 僕はひとりぼっちで泣いている。 あの子がシャンデリアの輝く部屋でドレスを着ている時、 僕は小さなランプが力無く光る部屋で質素な服を来ている。 あの子は王女。 僕は王子。 どうして、僕だけが…
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