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ポツリと、額に雫があたる。
「雨、か…」
俺は無意識のうちに人ごみを離れ、自宅へと足を向けた。
雨が次第に強くなりはじめる。
足取りも自然と速くなる。
いつもより少し遅れて家に着いた。
「ただいまー」
と、玄関を開け靴に手をかけた時だった。
母 杏子が電話で話をしているのが聞こえた。
母の表情は曇っていた。
母は俺の顔を見るや否や、受話器をそっと置いた。
「啓太…」
目に涙を浮かべ俺に言った。
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