それは都市伝説というには、あまりに小規模すぎて……

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「もう下校時間だぞ。早く帰れ」 担任の先生が教卓から告げた。さっきのチャイムは下校のチャイムだったようだ。 呑気だなぁと思ってくれて構わない。 「……まぁ、口裂け女にゃ気をつけろってこった」 立ち上がって制服を叩き、ホコリを払う籐桐。カバンを担ぎ、準備万端との合図。 さっきまで何もしてなかった椎成まで準備を終えていた。 すぐ行ける。涼は大きく一つ、ため息を吐いた。 「んなもん出ないっての。行くぞ」 籐桐と椎成が顔を見合わせて苦笑いしたのを、涼は見ていなかった。
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