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*「途中怪しげだったけど、まーハッピーエンドで落着かな?」
「あぁ…………って!そーいや神子田は大丈夫なのか!!?」
さっきから一言も発さないので心配になっていたのだが、真後ろを見ると案外普通の表情で硬直していた。
「何が起こったのか分からなくて………」
「巫女さんとかってそーいうの信じてんじゃねーの…………?」
「いや見たのは初めてだから………」
「あーそう…………」
巫女さんならば皆が見たことあるくらいはあると思っていたが、あながちそうでもないらしい。
そもそも涼は、なんなら除霊的なものでぱっぱと片付けてくれるかとさえ思っていたが、予想が大きく外れたものだ。
「そろそろいい?」
メイアが謎の発言を隣から投げ込んだ。涼も神子田も終始意味が分からないようである。
「もう敵はいないよ。木陰に隠れてる人」
メイアが涼と神子田の後ろの木に目線を移した。涼たちも後に続いてそこを見た。
そこからちらちらとこちらを覗く人影一つ。
それが誰か理解した瞬間、神子田は驚く。
同時に、怒りを混じえた驚きを涼が発していた。
歯を食いしばり、涼は唸る様に言った。
「相崎…………!!!!!」
相崎はゆっくりと木陰からを身を出して、何も言わずに近づいてきた。
メイアは涼の拳が震えているのを確認すると、場違いながらもくすっと肩を竦めて笑った。
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