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ついにはハッキリとわかるほどの大粒の涙が、相崎の頬を伝い、流れ落ちる。
そんな彼女らしくもない体たらくのまま、相崎は神子田に押し倒す勢いで抱きついた。
未だ大きく肩を震わせている。すすり泣く風だった泣き声も、わかりやすい、子供の様な声へと変わっていた。
「ごめんね…………!!!ごめんね弓ちゃん………!!!ごめんなさい弓ちゃん………!!!」
「ありがとう………頑張ろうね。私も、いつかよっちゃんと世界旅行に行けるのを目指して頑張るからね……」
笑顔を崩さないまま、神子田も一筋の涙をこぼしていた。
その後もずっと相崎は謝り続けた。
何度も
何度も
何度も
ただひたに、謝り続けた。
涼はいたたまれない思いでいた。
怪訝な目でどこかをじぃっと見ていた。
「ま、そうなるのはわかるよ」
「それもそうだけどさ………一つお前に聞きたい事があったんだ」
「何でもどーぞ。包み隠すつもりは毛頭ないからだいじょぶよー」
「そうか、だと助かる。なあ、都市伝説ってのは、みんな悪なのか?」
メイアは薄く浮かべていた笑顔さえ消して、まさしく無の表情になった。
「何言ってんのさ。悪に決まってんじゃん」
「え、マジで………?」
「人の負の感情から産まれたモノだからね、そりゃあ悪だ。そもそも涼のしてることは『都市伝説を正す』でしょ?その時点ですでに、都市伝説は正しくないんだと言ってる様なもんさ」
さっき相手にしてたのも悪。
隣にいるのも悪。
告白まがいをわちゃわちゃやってるのも悪。
そういうことなのだろうか?
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