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「でもね、涼みたいに都市伝説のこれからを考える人は珍しいんだよ。私でさえ、居候させてもらえたんだから」
「お前は強引に入っただろ」
「それでも警戒心無しに家に入れてくれたしね。その心は涼の使命上、欠かしちゃならないんだ」
そんなものなのか?いまいちピンと来なかったが、それでいいならいいのだろう。
涼は頭を掻いて、後ろを向いてしまった。
「オレ、教室戻るわ。言っとくけど今、昼休みなんだ」
「あいよん。いってらっしゃいな~」
「待って!」
と、突然遮る声。
誰が発したのかは、聞き覚えがあるからすぐわかる。
わかった途端、うしろめたい気持ちでいっぱいになった。
「ごめんなさい小研くん。私、アナタに酷い事言ってしまったから………」
相崎の声だ。
続けて、
「ありがとね、手伝ってくれて。来れる時はぜひ来てね」
神子田が言った。
やめてくれよ。
苦手なんだそういうの。
「うあああああ!!!!!なんか苦手なんだってばそーいうのは!!!」
「「……そうなの」」
涼はそんな気持ちだ。振り向くのは恥ずかしかったけれど、意を決することにしよう。
「世界旅行、決まったら教えてくれよ!」
「分かったわ」
相崎の笑顔を見たところで、涼は走っていった。
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