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言い終えた所で、涼はひどく頬が痛むのを感じた。
涼と同じ様に、栗瀬が右の平手打ちをかましたのだ。
「おあいこ…。………言ったからには、絶対護ってよね………。た……頼りにしてるから……!」
「ま、任せとけ。痛いな、ずいぶんこれ」
「それ、小研くんが私にやったことだよ」
「ごめんって!あとは何すれば---」
涼が解決法を暗中模索してあわあわとしているところで、初めて栗瀬がくすっと笑った。それだけでなんだか、救われた様な気分だった。
「次数学か。あ!オレ課題わかんないところ放置したまんまだ!」
「見せてあげよっか?」
「頼むよ。できれば解説付きで」
ようやく訪れた日常に、涼の心のモヤモヤは消えつつあった。
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