それは都市伝説というには、あまりに小規模すぎて……

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身体は即座に反応し、跳ね起きた。見慣れた景色が目に入る。朝の長閑な音。綺麗な木漏れ日。 その全てが趣である。 目覚ましの設定を忘れてたらしい。ボタンを押した形跡が---そんなもの無くて当然だが---無い。 あぁ、そうか。自分は目覚まし以外の方法で起きたのか。でも、どうやって? 「おはよう、涼!!!」 「椎成!!!?何でお前ここに!!?」 「いひひー」 自慢げに鍵を見せつけてくるのは、幼馴染の白刃 椎成(しらは しいな)である。 その目の前でパジャマ姿で未だに寝ぼける。それが小研 涼。 「合鍵で入って来やがったな………」 「ふふ、なーんてね。ちゃんと正当法だって」 ニコッと笑いながら、涼のベッドの端のシワの少ないところに腰掛ける椎成。
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