序章

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夜も更け街から明かりが消える。 「ハァ、ハァ、ハァ!」 人の往来はなくなり、喧騒は消え街はシンとしている。 「ハァッハァッハァッ!!」 雨上がりで時に水たまりのはじける音が広がる。 「ハァッ…!ハァッ…!ハァッ…!」 その闇の中、何かから逃げる男。 「ハァッ……ハァッ……ハァッ……!!」 その心境は慌て、何者かの恐怖から逃れることばかり…… 「ゼェッ!ゼェッ!ゲホッ!!ハァッ!ハァッ!!」 段々と息が上がり、体が限界へと近づく…… 「ハァッ…ハァッ……ここに…」 手近にあった隙間路地へと入り込む。 「ハァ……ふぅ~~……」 入り込むや否やすぐに壁に凭れかかる。 「ようやく……撒けたか……?」 周りを見渡すが誰も居ない。それに男は安堵し、息を整える。 「くそ…。あそこで”ヤツ”が来るなんて…。だが、”ヤツ”から逃げられたってのはいい土産話だぜ…ヘヘ…。」
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