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彼の言う”ヤツ”とは相当な実力の持ち主。彼はなぜ逃げているのか……
「はぁ…、”ヤツ”が出ると知っていれば事には及ばなかったのに…」
そう、彼が起こしたのは犯罪。それにより彼は追われているのだ、一つの組織に。
「さて、”ヤツ”を撒けたおかげで息は整った。これで戻れるな」
「そいつは何より。」
声。その男とは違う別の人間の声が路地に響く。
「なっ…テメエは……」
驚きを隠せない男。いや、驚きよりも生まれてきた絶望に要量がパンパンになって溢れ出ていいるのだ。
「先程ぶりだな。」
「くっ、どうやってココが…」
「それは言えんな。犯罪者に答えるやる気は持ち合わせていないのでな。
さて、面倒ではあるが……死んでもらう。」
男が言う”ヤツ”が何処からともなく何かを取り出す。何もない所から物を出す所業はまさに魔法、と言って差し支えない。
「ふっ…!!」
勢いよく”ヤツ”の手からソレが飛び出した。そして男に巻き付く……。巻き付いたのは……鉄線……
「今からこれに電気を流す。言い残した事はあるか?」
そう言うと”ヤツ”の手が雷を帯びる。しかし”ヤツ”は感電しない。それはまさに科学の結晶……
「ひっ!!たっ頼む!見逃してくれっ!!」
男は”ヤツ”の脅しに戦慄を憶えた。男は風の噂でこう聞き及んでいた。”ヤツ”は殺ると宣言したら確実に来る、と。噂の段階ではそれが笑い話にしか聞けなかった男でも今は分かる……自分は殺されると……。
「頼む、この通りだ!!」
男の必死の懇願。”ヤツ”も人の子、もしかしたら助かるかもしれない、と言うプライドも何もかもを捨て切った発言だ。
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