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火球を飛ばす。とか、本が宙に浮いている。とかそんなことにではない。
そんなものは『魔術』を使えばできることだ。
十年前。突如、宇宙から落下してきた未知の情報記憶飛来物、通称『神からの贈り物』の飛来によりそれまでの科学が築いてきた純科学文化は終わりを告げた。
いまは『神からの贈り物』に記憶されて新たな情報によって技術レベルが上がり、魔力の存在、自然の摂理や様々な法則、方程式の解明が進み『魔術』が学問として発達するまで飛躍的に進歩する魔科学文化が時代を作り始めていた。
剣『術』のように、素質のある者が学習し修練すれば誰にでも扱えるようになった魔『術』。
だから、こんな事が起きてもこの世の中じゃ珍しい現象ではない。それじゃあ何がこんなに俺に異常を与えてくるのか。
多分それは目の前の人物が放っている雰囲気そのもの。雰囲気が違和感を超越し俺に異常を感じさせるんだ。感覚で言えば、はじめて異国の人間に会った時と似ている。程度の差は遥かに違うが。
『人間』としての見かけは一緒だが、本質的な中身が違う。そんな感じ。
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