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リュウイチが思った通り、学校に着くと教室からは、教師の声が聞こえた。
(あちゃーもう先生いるのか・・・)
「サクラ、後ろからゆっくり入ろうか!」
リュウイチは教室の後ろのドアを、音がしないようにゆっくりと開け、
中腰になりながら忍び足で歩き、
リュウイチの後ろでサクラが学ランの裾を掴んで付いて行った。
教師は黒板に文字を書き、クラスメイトに背を向けていた。
「よっ!桐山夫婦!二人揃って、重役出勤かい?」
タケシが二人を茶化すと、生徒と教師が後ろを振り返った。
「桐山君、藤波さん、仲がいいのは良いことだけど、遅刻は駄目よ!」
「すみません。」
サクラは教師に向かい、頭を下げると、
ムスっとした教師が「いいから、席に着きなさい。」と言った。
リュウイチは席に座ると、タケシに声をかけた。
「バカ!声でけぇよ!タケシ!」
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