序章

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車の鍵を渡すのにモタついている後輩刑事に、 先輩刑事は強く言った。 「ほら!早くキーをよこせ!」 「はい・・・」 ぶっきらぼうに車の鍵を奪い、車に乗り込み30分程走り、 ひと気がない河川敷に止めた。 (やっぱり生きてたのか・・・この街に戻ってきたんだな・・・  何故、今になってユミコを殺したんだ・・・一体何がしたいんだよ・・・) 車から降り、遠い目をして流れゆく川をただ見つめていた。 (いや・・・そうだな・・・わかってるよ。  ユミコを殺したのは、ユミコが邪魔になったからだろう・・・) (ユミコは、あいつと逢って何を話したんだ?  あれから、実は連絡を取っていたのか?    一体何のために連絡を取っていた?  娘のためか?    確かユミコの娘は今、18歳くらいだから高校生か・・・  とりあえずユミコのアパートに行ってみるか・・・) タバコを川に投げ捨て、決断した顔をして車に乗り込み、 ユミコのアパートへ向かった。
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