序章

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「あぁ、昔の知り合いだよ。  まぁ俺のことはいいから、他に情報はあるか?」 「被害者なんですけど、涙を流した跡があるんです。  その跡が首を絞められて、苦しんで出た物なのかは、  わからないんですが・・・」 「そうか・・・」 「それとですね、被害者の手が妙なんですよ。」 男は眉間にシワを寄せた。 「妙って・・・何だ?」 「手の平を胸の所で組んでいるんです。」 「手の平を組んでるって、どういうことだよ。」 「まるで祈りを捧げているみたいなんです。  きっと加害者が、それを意図的に行ったんだと思います。  そして、被害者の周りには花が置かれていました。」 「花が?まさか加害者が自分で殺しておいて、  被害者を供養したってことか?」 「想定ですが、そうとしか思えないです。  加害者は被害者を殺害後、遺体を整えて、手を組ませ、  供養したのだと思われます。」 「そうか・・・他に情報が出てきたら、電話してくれ!」 「ちょっと、先輩待って下さ・・・」 男は、後輩刑事が話している途中で電話を切った。
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