如月は勇気を振り絞ったりしてみる

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『良き学校生活を送ってくれたまえ』 「偉そうに」 入学式を迎えているが、内心校長の話にはうんざりしている。 年長者の言葉には素直に従い敬うべし、勉学に集中し常に高みを目指すべし……か。 馬鹿か。 素直に従う?話にならん。 俺らにも人を選ぶ権利はあるし、学生は勉強だけが全てじゃない。 学生のうちにしか出来ないこと――青春を謳歌すべきだ。 『次に新入生代表、黄瀬良行』 ようやくか。 本来なら無難に終わらせているとところだけどもあんな話を聞かされたあとだ、黙っていられない。 壇上の上で生徒を見る。 紺、紺、紺。 一面紺色の制服で埋め尽くされ地味だな。 俺はあらかじめ決められた内容通りに文章を読み進めていった。 しかし、自分で考える部分になると。 ビリビリ 『――!?』 体育館が騒然とする理由――俺は原稿をその場で破り捨てた。
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