如月は勇気を振り絞ったりしてみる

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冷たい視線、というよりどこか眩しいものを見ている姿。 眼鏡の奥から覗く視線に気になりながらも俺は自分の場所に戻った。 女性……不思議な人だな。 それより拍手もらえなかったし。 調子乗りすぎたかな? 『次に生徒会長の挨拶です』 「生徒会長の藤原柑奈(ふじわらかんな)よ」 スレンダー、生徒会長の容姿を一言で言うならそうだろう。 肩までの茶色なショートヘアで前髪をヘアピンで止めており、顔立ちが良く、女性にモテそうな顔をしている。 胸に関してはお世辞でも大きいとは言えない。 美人だけど楠田の対象外だな。 俺はそんなつまらないことを考えていた。 「正直、新入生の黄瀬くんの言葉には感動したわ。 素晴らしい言葉だっただけに在校生に聞かせられなくて残念だったけど、どうでもいいわ。 私からみんなに言う言葉は1つだけ、入学おめでとう。 入学後の過ごし方は新入生挨拶であったように後悔しないようにしていきなさい 以上」 特にこれ以上は発言せずに会長の藤原柑奈さんは席に戻っていった。 あの人とは意見が合いそうだな。
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