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「起きたまへ」
「うーん、あと10分だけだから」
カーテンから覗く光が朝だと告げるが、ベッドの主は布団から出てこない。
光?
「……朝なのか?」
「はい、なので起きたまへ兄上」
「りょーかい」
渋々布団から顔を上げて周りを見ると笑顔の妹の姿がある。
黄瀬凛(きせりん)、俺の黄瀬善行の自慢の妹だ。
凛は長い黒髪をポニーテールで纏めており、スタイルも日増しで良くなって来ている。
凛のことをこれ以上は語ると長くなるから割愛する。
「起きてくださいましたか。朝餉が出来てますから早く」
「すぐに行くよ」
真新しい制服に身を包み1階へ足を進めた。
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