如月は勇気を振り絞ったりしてみる

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「凛は兄上と過ごせない学校生活が億劫で仕方ありません」 「これから受験が控えているっていうのにそれはないだろ?」 「良行、凛は寂しいのよ」 「寂しい?」 嬉しいこと言ってくれるじゃないか。 さすが凛、かわいいとこだらけだ。 「は、母上!」 「言いじゃない、どうせ自分でも言うつもりだったんでしょ?」 「しかし、私も己の力で」 「堅いわよ凛……どこの武士よ」 「けどな、凛は生徒会長なんだろ?生徒の先頭がそんな面倒とか言ったらダメだろ?」 「私は兄上がいたからこそ勉学、運動、行事や委員にも積極的に取り組んで来たのです――兄上がいない学校など屋根のない家同然!」 「要するに?」 「行くだけ無駄です」 なるほど無駄という部分で例えて来たのか。 俺も今度例えに挑戦してみるか。
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