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「あ……うん」
肩に手を回し、ぐいっと身体を前に押される。
妙に馴れ馴れしい。
一か月前のあの日、冷たい表情をして『無理』と、破壊力のある一言だけを私に向かって言い放ったくせに。
黒く艶やかな髪と、整った顔立ちは一緒。しかし今、目線が同じくらいで信じられない位に近いところにいる吉村悠斗は、その時とはまるで別人。
「――晶、大丈夫か?」
心配そうに、顔を覗き込んでくる。
……本気で、あの吉村悠斗と同一人物なのだろうか。
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