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「陽介が来てるなら、席は大丈夫だな」  そう思うのも無理はない。 鈴木陽介(すずき・ようすけ)――彼がここに居るときはいつも端の席で、大抵一人。 たまに一緒に座っているのは、確かに吉村位しか見たことが無かった。 近寄り難い雰囲気と、それを一層引き立てるような容姿の端麗さが、長いテーブルに座っていても周りに空席を作る。 間違って座っても噛み付いてきたりはしないが、とにかく居辛い。 ……席がどうしても空かなくて、座った事もあるけど。 「仲、良いんだね」 「何言ってんだ? お前も小学校から一緒だろうが」 「……言ってみただけ」
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