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 懸命に胡麻化してみるが、全く記憶に無い。 小学校の頃も、それなりに性別隔てなく友人と遊んできたつもりだけど――私が吉村と鈴木を知ったのは、高校に入ってからだった。 「またお前らか――」 「で、陽介はまたカレーかよ……」  ちらりとこちらを見た後、再びカレーを口に運ぶ。確かに、見かけた時はいつもカレーを食べている。 鈴木の目の前に吉村、私が吉村の隣に座ると、目を細めながら鈴木がまじまじと私の顔を見てくる。 「……俺の顔に何か付いてる?」 「いや。疲れてそうには見えるけど。――晶が自分の事”俺”って言うの、珍しいよな」 「そっ……そう?」  拙い――と思っても、どうすれば良いか分からない。
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