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薄っすら襲い掛かる眠気に負けそうになっていると、部屋のドアが開く。 「いい加減、起きなさいよ。そんなにアラーム大音量で鳴らしてたら煩いでしょ」 「――わかってるって」  心なしか、声が低い。風邪でもひいたのか。 でも、喉は痛くない。 喉が枯れている様な違和感も無い。  布団から出て起き上がると、昨日まで肩まで有った筈の髪の毛が――無い。 夢でも見てるのか? 頬を叩いてみたら、ちゃんと痛い感覚がある。 「何やってんのよ。さっさと降りてらっしゃい、“お兄ちゃん”」 「――え?」  ドアを開けっ放しにしたまま、階段を下りていく音が聞こえた。
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