人を愛す妖怪の教師

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「すまないな、はじめまして会う貴方にあんな事を頼んで」 はじめてから一時間と半で素人が出来る範囲の事を終わらせ、マルコは慧音にお茶を頂いていた。 「いえ、大丈夫ですよ。むしろ私のような者に仕事をさせて頂き有難いかぎりです」 慧音はそう言い頭を下げるマルコに少し戸惑った様子をみせる。 「いや、頭をあげて下さい。助かったのはこちらの方なんですから」 「そういって頂けると幸いです」 「はぁ、なんか調子が狂うな」 にこりと笑うマルコにお茶を呑んで気持ちを落ち着かせる。 「マルコさんは外来人でしたね」 「ええ、こちらではそう呼ばれておりますね」 「失礼ながらおいくつでしょうか?」 「歳……ですか……」 マルコは少し考えるように視線を上に向け、また軽く微笑みながら慧音に視線を戻す。
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