39人が本棚に入れています
本棚に追加
彼の違和感は初めて妹紅に会った時に似ているかもしれない。
「そういえば、慧音」
「ん、なんだ?」
「今日来ていた人は誰?」
「なんだ、来ていたのか。なら挨拶ぐらいすれば良かったじゃないか」
「いいよ……、私は」
そっぽを向く妹紅には陰りが見えた。
「妹紅……」
野菜を切る手を止め、悲しげに彼女を見る慧音。
「彼はな、外来人なんだ!」
慧音は努めて明るくしようと話をする。
二人の間に流れた空気を払拭するように。
「やっぱり外来人なんだ」
「あぁ!それに冒険家らしい」
「へぇ、冒険家なんだ。まだ若そうだから始めたばかりだったのか」
「それはどうだろうな……」
う~ん、と唸る慧音に妹紅に首を傾げる。
普段の彼女からあまり頭を悩ませるなんて事など滅多にない。
「なにか間違ってた?」
最初のコメントを投稿しよう!