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昼過ぎの控え室、そこにいるのは二人の人物。
一人はマルコ、もう一人は妹紅。
互いに初対面ではないものの、これといった関わりを持つことなく過ごして来た二人で、それ故、距離を計りかねている状態であった。
慧音の計らいで寺子屋で働く事になったのは二ヶ月前。
妹紅と出会ったのはそれから五日後。
それも軽い挨拶程度で面と向かうのはこれが初めてかもしれない。
あまり情報を持ち合わせてはいないが、彼女もまた“実力者”の一人。
それだけは知っていたマルコは迂闊な行動を取るわけにもいかず、お茶を啜る。
目の前の女性も何も言わず、何もしない。
ただ手に持つ湯飲みを眺めている。
「はてさて、いかがしたものか」
ぼそりと呟いたそれに返ってくる応えもなく、空気が重いという錯覚を味わうことになった。
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